センプレのこだわり
家で仕事をするようになって、早9年。当然ながら、一年ごとに年もとり、押しも押されぬ中年世代となりました。
楽だからといって、一日パジャマのままで仕事をするほど達観してないし、第一仕事モードに頭を切り替えられない。かといって、いわゆるジャージィの上下で、ファッションをまるっきり捨てた人にも絶対なりたくない。ましてや、私の仕事はファッションにかかわる仕事なのだから。 家にいると、他人と接触する機会がほとんどないかというとそんなことは無く、マンションに住んでいると、朝のゴミ出しや、集合ポストに新聞を取りに行くだけで、他の住人とばったり会う機会が少なくないし、そんなときだらしない格好をしていると、恥ずかしくなってしまう。 訪問者も多い。宅配便や郵便屋さんと玄関先での応対だけとはいえ、ノーブラで堂々と印鑑を渡せるほど開き直れない。仕事に集中しているときに、打ち合わせでたずねてくる人もいる。そんなとき、わざわざ着替えるのも億劫。いつも身ぎれいにしていれば問題ないことなんだけれど、こういう生活にピッタリの服って.....
ありそうで無いんです。 いろんなブランドにひとつや二つはあるのかもしれないけれど、そんなコンセプトで企画しているブランドって、私の知る限りみたことがない。周りを見渡せば私と似たような生活パターンのミセスが大半だと気づいた。年に何回も着ないスーツより、ふだんに着る丈夫でしゃれた服の方が必要大なんです。サラリーウーマンにとって会社が舞台なら、ミセスには家の中や近所のスーパー、日常生活そのものが舞台なんです。地域密着型ワンマイルウエア。そのステージで着るぴったりの衣装を、流行もちょっぴり意識しつつ、年とともにわがままになっていく体にフィットする優しい服を作っていきたいと思っています。
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